備忘録

遺書代わり

台湾紀行記

台湾紀行記終幕

グレートインナージャーニーの旅路の果て。 「虐げられた人間が、自殺するか、社会に怒りを向けるかって、自分を好きかどうかだと思う。」 どこかのアーティストがインタビューで言っていたこのセリフが途轍もなく刺さる。あぁでも俺は借り物の言葉ばっかり…

台湾紀行記⑩

自分の皮がポロポロとめくれていくような喪失感や切なさに似たものを最近は感じる。このまま失い続けた先に何か得られるものがあるのだろうか。 猫空を去ることを決めたが、夕暮れや夜の方が景色は綺麗らしくそれだけが名残惜しかった。でもここで3,4時間潰…

台湾紀行記⑨

小山田壮平が青い空という曲の中で「吐き気のするあの顔を大事な人の中に見て色々と嫌になり」という歌詞を歌っている。自分の好きなひとたちが、自分がして欲しくないと思っていることをしたり、もっと言えば軽蔑するようなことをしているときの失望感とい…

台湾紀行記⑧

夏は、暑さは、人を期待させてそそのかして馬鹿にして正当化するから、「南国に哲学者が生まれにくい」はきっと正しい。 4日目。夜。バスを降りてそのまま南機場夜市へ向かった。 奥まったところにあるこの夜市はローカル感の強く、観光客はほぼゼロ。屋台は…

台湾紀行記⑦

ディズニーランドが麻薬と同じなら、幸福こそが人を狂わせるのかもしれない。 人は欲深いからな。 雑なベッドメイキングとお湯の出にくさに愛着が持ててくる4日目。手先が真っ赤ですっかり日焼けしたなぁと思う。相変わらず目覚めしの直前に起きるスタンド能…

台湾紀行記⑥

3日目。昼。雨降りの朝と打って変わって少し晴れ間が出てきた。 台湾ビールは沖縄のオリオンビールと近くて味が薄くて喉越しが少ない。オリオンビールは正直好きじゃないけど、台湾ビールはわりと好き。なんの違いなんだろうな、喉越しはオリオンより結構あ…

台湾紀行記④

神社や寺で手を合わせることは形だけ残った空っぽの行為だなと思う。 意味はあっても愛はない。 2日目。昼。 天気がいいこともあって船の中で風が気持ちが良かった。憑き物が洗い流される感じ。 対岸の八里という街は、地球の歩き方にもそんなに載っていない…

台湾紀行記③

旅行とは物理的な現実逃避である、と気づいた。 どおりで旅行帰りの人はみな憑き物が落ちたように晴れ晴れしく、それでいて定期的に行きたがるんだなと分かった。日常に押しつぶされる人間にとって、強制的な非日常ほど魂を救うものはないな。 2日目早朝。慣…

台湾紀行記②

飛行機の中で読んだ本の中で、太宰治が「日常生活の積み重ねの中で少しずつ成長できなかった者が急激な革命を望んでアルコールなどに逃げるのだ」といった内容を言っていてぐうの音も出なかった。 酒を飲みたがる人は成長してないってよ。 場所は移って飛行…

台湾紀行記①

台湾紀行記と銘打ってみたものの今日はほとんどの時間日本にいた。 午前便にすることもできたけど慣れない空港で焦りたくないしゆっくり行くことにした。 昨夜は耳鳴りに耐えながらなんとか眠った。 寝つきは悪くなかったけど2,3時間ごとに起きてしまったし…