備忘録

遺書代わり

台湾紀行記③

旅行とは物理的な現実逃避である、と気づいた。

どおりで旅行帰りの人はみな憑き物が落ちたように晴れ晴れしく、それでいて定期的に行きたがるんだなと分かった。日常に押しつぶされる人間にとって、強制的な非日常ほど魂を救うものはないな。

 

2日目早朝。慣れないベッドで寝つきはイマイチだったけど寝てしまえば疲労感から熟睡できた。目覚ましの2秒前に目がさめる超体質で7時半に起きて準備をして部屋を出る。

シャワーのお湯の出が涙出そうなくらい弱い以外は完璧だなあ。

週間天気予報だと今日が1番暑いみたいだから海沿いの淡水に行くことにしていた。

 

シーシャ屋のお兄さんに聞いたルーロー飯のお店がホテルから歩いて15分くらいのところにあったから散歩がてら歩いて行った。

観光客はほぼおらずなんとかカタコトの英語でルーロー飯を頼んだ。がっついて食べたせいで写真を撮るのも忘れてしまったけど、いい意味で給食っぽい味がした。美味しかった。そのまま気になって仕方なかったこれを頼んでみた。

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油淋鶏と酢豚を足したようなこれが美味しすぎて一生食べられると思った。

 

そのまま近くを散策していると朝市と出会った。地球の歩き方に載ってたやつだな、と思ってぶらぶらしていたが、夜市と違って地元の人がガチの買い物に来てることが多くどっちかって言うと商店街に近い感じがした。

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鳥の足みたいなの売っててやばすぎた。

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謎の神社?で祈祷してる。

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昨夜レートを見てようやく物価が掴めてきた。だいたい4倍すると円になる。コンビニのペットボトルのお茶や紙パックジュースが25元(≒100円ちょい)だからほぼ日本と物価は変わんないかな。

そう考えると25元のルーロー飯安すぎる。

 

街をぐるぐる回って路地裏なんかを覗いてみたりした。

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その後疲れてきたからMRT(電車)に乗って淡水へ。

これが切符代わりらしい。オレオにしか見えない。

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淡水駅で降りるとすでに潮の香りがした。

駅出てすぐのコンビニで台湾ビールを買って公園でのんびりすることにした。

店員が「アリガトゴザイマース」と言ってこちらがシェイシェイと言うのは優しさの交換だなあ。(後からちゃんとした発音はシエシエ、くらいな感じらしいと知った)

 

歩きタバコはダメだが路上喫煙は可という摩訶不思議なルールのもと海を見ながらタバコを吸ってビールを飲んでチルアウトしていた。

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雰囲気はみなとみらいに似ているけど、良くも悪くもみなとみらいより整備されていない感じ。眩しかったのでサングラスを買ったけど、富裕層の中国人みたいになってしまったな。

 

一本路地に入ると下町の商店街のような市場が続く。

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よくわからないものを食べてみた。

お姉さんが目の前で作ってくれてるのを待ってたら「ラー?」ときいてきた。直感的に辛いやつだと気づき、ノー!と答えた。危ない。アジアはすぐに辛くしやがる。

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日本に近しい味のものがないからうまく例えられないがめちゃくちゃ美味しかった。本当にうまく例えられないから美味しかったと言うしかない。

 

この辺の人たちはほとんど日本語は通じないのでカタコトの英語で話した。飲み物を買おうとしたけど1ミリも漢字の意味がわからなくて困惑してると、何かしら聞かれた。勘でジャパンと答えると日本語のメニューを出してくれた。

ミックスフルーツジュースは信じられないほど美味しかったけど、黒プーアル茶は普通だったな。

 

 

そのあとぶらぶらしていると牛肉専門店(おそらく)と書いてあるお店があり、店頭に犬の置物があった。

そこのお店に並んでる瓶が気になって「イズ ディス ビアー?」ときくと、英語でそうだと言われ有機ビールであることを教えてくれた。

犬の置物が置いてある牛肉専門店で有機ビールを売ってるという意味のわからなさに釣られて買っちゃった。

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ビールとお茶を両手に抱えてずんずん進む。

お昼も過ぎてそろそろ対岸に行こうかなと思った。渡し船の入り口で右往左往しているとあっちに切符売り場があるとおっさんが教えてくれた。いやわかりづらくね?

ちょうど半日だしここで一旦区切ろう。

 

 

とにかく風が気持ち良い街だった。

 

 

 

BGMは相変わらずのandymori

旅行中は音も楽しみたいから音楽も聞かずイヤホンは基本してないけどここでは聞きたくなった。

 

空がこんなに青すぎるとなにもかも捨ててしまいたくなる
空がこんなに青すぎるとこのまま眠ってしまいたい

昔の誰かに電話して
貰った花をまた枯らしながら

「今度呑もうね」と嘘をつくのさ