台湾紀行記⑧
夏は、暑さは、人を期待させてそそのかして馬鹿にして正当化するから、「南国に哲学者が生まれにくい」はきっと正しい。
4日目。夜。バスを降りてそのまま南機場夜市へ向かった。
奥まったところにあるこの夜市はローカル感の強く、観光客はほぼゼロ。屋台はなく、それぞれがお店を構えている感じ。だから食べ歩きとかはほぼなく、みんなそれぞれのお店の軒先の簡易テーブルとかで食べる。
観光客はおらず、地元の人が飯を食う場所っぽいこともあって日本語どころか英語のメニューもないから、美味しそうなものがあってもどれか分からないから注文できない。読めないし。
でも水餃子が有名らしく、どうしても食べたくて勇気を出して店に入ってみる。
店員さんももちろん日本語どころか英語もほぼ話せない。最初に入ったところが水餃子が売り切れでとぼとぼ歩いていると刀削麺の文字が。これは食べたい。頑張って入ってみて、なんとか注文する。水餃子は毎個6元て書いてあったから1個あたり6元かなと思って5と書いた。すると紙の水餃子と書いてあるところを指差して、何かしら言ってきた。マジで1ミリもわからず「は?」みたいな顔して困っていると、数字で10と示された。
どうやら10個以上からの注文らしい、と受け取った。まぁでも食べたいしいいやと思ってオーケーと言う。
10個も食べきれるかなぁと思っているとおばさんが5個水餃子を持ってきて、拙い英語で、「ファイブ?オーケー?」とニコッと笑ってくれた。これは優しさだ!世界で一番美味しい水餃子だったよ、おばさん。
刀削麺は色々種類があって、その中の肉という文字がついてるやつを頼んだ。(肉が食べたいというか、それしか中身が想像できるものがなかった)
麺を店の中で削っていて見れるんだが、お兄さんがよそ見しながら削ったりしていて、麺が太かったり細かったりしている。そのB級感にたまらなくなった。しかもめっちゃ美味い。麺はさることながら、このスジ肉みたいなものがマジでとろけるほど美味くてもはや麺いらねえと思ったくらい。
大丈夫と思っていたがお腹がいっぱい過ぎたのでビールを飲みながらタバコを吸いながら15分ほど歩いていく。近くにも夜市があるらしい。
するとなぜか目当ての夜市以外の夜市を発見。
龍山寺や西門町に近いせいかかなり賑わっている。初日行った夜市をそのまま数倍にした感じだった。通りはこの1本だけで、わかりやすいし、道も広くて通りやすい。駅近だがあまり有名じゃないみたいでこちらもローカル感が強い。日本語も英語も通じなくて大変だったなあ。
だけどめちゃくちゃ美味しそうなものが立ち並んでいてもっと早く来れば良かったと悔やんだ。お腹いっぱいなのもあって少しだけ食べて後は散策に費やした。
そしてそのまま隣接したところにお目当ての夜市があることを発見した。
華西街観光夜市と言って、ちょっと怪しげな夜市として有名らしく、夜遅めに行くのは危ない。(by地球の歩き方)
ゲテモノで有名らしくヘビやからスッポンやらを食せるらしい。お腹もいっぱいだし食べたい気持ちも薄かったから好奇心だけで散策してみようと決めていた。7時ごろだったらヘビのショーとかあったらしい。
このでかいヘビたちの横には生きたネズミたちがいた。
台湾の夜市の中で一番アングラで、アーケードの灯りとは真逆に雰囲気は薄暗く、どんよりとした空気を感じた。客引きはほとんどない。
ゲテモノ料理屋の他にはマッサージ屋が多かった。夜市にはほとんどないから珍しい。あとは怪しげな物品を売ってるお店とか。ずんずん進んで行くとやばげな路地に出た。この夜市に長居しているとやばい、と直感が告げたので撤収した。
ビール片手にぶらぶら帰った。ビール:フルーツジュース:お茶を5:3:2くらいで飲んでる。全部美味い。
明日は猫空に行くんだ。晴れるらしい。楽しみだな。
5月になったら鎌倉の方へ夜光虫を見に行こう。青色はきっと人を優しくさせる。
メレンゲの予報通りに晴れた空を聴きながら眠る。
行き先はまだ決めずに行く僕のロマン
知らない街に迷い込むと 胸が躍るんだよ
青い空のせいに全部して