備忘録

遺書代わり

当たり前の愛を貫けよ

友人のカップルがツーショットをSNSにあげていた。

微笑ましく思うし、羨ましくも思うし、苦しくもなる。

どうか、ふたりとも、お互いを、お互いの愛を裏切らないでほしい。欲望や寂しさやその場の状況に流されて、愛情を裏切ることはあってほしくない。でもそういう人たちがほとんどで、そういう人たちの方が人生を楽しんいることが、自分の中で溜飲を下げない。

 

あぁ、そう考えるとやっぱり自分はこの世界で生きるのに向いてないのだなあ、と思う。そんなにも簡単に自分の快楽のために愛情を無碍にできない。

相手を深い愛情で包んで決して裏切らない、一人の異性をわき目も降らずに愛する、そんな愛情がどこかにあればいいな。

少なくとも自分はそれを実践してきたつもりなんだ。それでも友人たちや恋人たちの多くは過ぎ去っていってしまったのだから、やっぱり間違っているのかな。

 

周りを見渡せば愛情を裏切っている人ばかりだ。どうして自分のことを想ってくれる人を大事にしてあげられないんだろうか。他人はよく私のことを弱い人間だというが、人間関係の中で覚える葛藤・苛立ち・苦しさに向き合わず、楽しいこと嬉しいこと気持ちいいことだけを享受しようとする方がよっぽど弱い人間なのではないか、とたまに攻撃的に思ってしまう。

深い愛情を持つことは苦しいし、人と向き合い続けることはしんどい。

だから人は簡単に享受できる心地よさに逃げてしまうだけで、そのほうがきっと人生は楽しい。それでもそんなに器用に生きられない自分はどうしたらいいだろうかなあ。

 

昨夜は薬を飲んで寝た。プラシーボ効果か疲れていたのか飲んですぐに頭が重くなってきて早めに眠りにつけた。そのまま7時間ほど目が覚めなかったから薬の効果は偉大だ。効用の高さに薄ら笑いを浮かべてしまう自分を嫌悪した。重たい頭を引きずるように支度をする。最近はもうどんな服を着ていいかわからない。

お腹は空くが何を食べても吐き気がするので食が進まない。順調に体重は減っていてすごいダイエット効果だ。

 

午前中に家を出て教習所に向かった。

好きな音楽が煩わしく感じたから停止して、電車の中で昨日心療内科でもらった睡眠の質改善とか生活の改善みたいな紙を見た。

そこには、遅寝はいいが早起きしようとか、適度な運動をしようとか、朝日を浴びようとか人と話をしようとかインターネットにも書いてある誰にでも言えそうなことが書いてあった。

そもそもそれを積極的に実行していこうとするエネルギーがあればとっくに改善しているか自殺している。そんなものを自分で何とか出来ないから頼ったのにな、そう思って落胆してしまった。

 

もらった薬の副作用をインターネットで調べてみた。難しい言葉が羅列されて半分も意味がわからなかったが、なんとなく読み取れたのは残眠感とか一過性の健忘症とか依存性とからしい。それもかなりの量を飲まないと大丈夫みたいだ。なんだ残念だな。

 

 

教習所では頭が重たくて何も入ってこなかった。副作用なのかな。ときどき車道に飛び出して轢かれたい衝動に駆られる自分が安全なドライバーになる講座を受けている、という自己矛盾がちゃんちゃら可笑しく感じた。教官が言った「自分の命は自分で守ろう」という言葉が頭の内側にこびりついて虚無感にまみれた。

休憩時間はタバコを吸っていた。今までだったらタバコを吸えば少し胸のつっかえが取れたんだけどな。いくらタール数を上げても変わらないのだからきっともうどうしようもないのだろう。タバコを吸うたびにゆるやかに死に向かっているんだという感覚だけはとても心地よかった。

 

夕方、教習所が終わると美容院に向かった。

少しだけ時間があるから何か食べようかと思ったけどやっぱり吐いてしまいそうでやめた。栄養補給剤とカロリーがあれば大丈夫。でも美味しいものを食べたいよ。そんなことを考えていたら降りる駅を逃してしまった。

美容院で髪を切るとどこか生まれ変わったような気がしてスッキリしてしまう。ちょっと前向きになれたような気がしたけれど、SNSを見てしまって吐き気がした。いろんな想像をかきたててしまうね。自分がこんなに苦しんでるいるのに、あの人は楽しんでいることを想像すると肺に蓋が閉まったような心苦しさを感じた。自分はなんて自分勝手なんだろうか。少しだけあった空腹感も消え失せてしまった。

 

 

夜は明日の準備をした。家事をした。

前は洗濯は好きな家事だったのに今は気だるさしか感じない。テレビもゲームも好きで夢中になっていたのに今は本当に楽しくなくて1時間も付けていられない。頭が痛くなってしまった。それでも家の中に音がないと苦しいから何かつけていないといけない。どうしようもなくてお酒を飲んでしまった。お酒と薬はどうも相性が良くないらしけど、少し時間が経てばきっと大丈夫だから薬を飲んで寝よう。

 

 

 

蜘蛛の糸にすがるかのように震えた手で薬を飲もうとする自分の顔はこの世のものとは思えないほど醜悪だろうなと思う。

 

あぁ苦しい。よく身近な人に相談なさい、とはあるけど、助けてと言って誰かが助けてくれたことがあったか。また病んでいるのか、まだ悩んでいるのか、暗い人間はあっちに行けとばかりに嘲笑されるだけじゃないか。惨めに生きて傷付き続けるより消えて無くなりたいんだ。

 

 

それでも手を差し伸べてくれた人たちには本当に感謝しているんだよ。何があっても僕は味方だ、友だちたち。